代官山登山部

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たばこ/コレサワと夜もすがら君を想う/藤川千愛についての考察

さて、藤川千愛をご存知だろうか。今をときめくシンガーソングライター藤川千愛まねきケチャという暗黒アイドル時代を経て、無事デビュー。

 

 

 

 

彼女の最新アルバムに【夜もすがら君を想う】という曲がある。これはコレサワの【たばこ】のアンサーソングだという。

 

 

 

どちらもなかなか、グッとくる歌詞とメロディーなんだけど、今宵もまた、お得意の独断と偏見に満ちた考察をしていきたい。異論は認めます。

 

 

 

【たばこ/コレサワ】は失恋ソングだ。失恋したばかりの女の子が、彼がいなくなった部屋で、ようやく彼がいないことを実感する歌で、悲しくて、切なくて、情けない。わたしもかつて同棲していた彼が家からいなくなり、一人暮らしになったことがあるので、この切なさや情けなさはほんとにグッとくるものがあった。初めて聞いた時は、息が止まるかと思った。

ちなみに、失恋ソングにありがちなタバコという題材については、歴代の恋人がタバコを吸っていた試しがないため想像で補完していきたい。

匂いは、記憶にガツンと残るらしい。たしかに、電車の中やすれ違った人から、あの頃の匂いがフッとして、振り向いてしまうことがよくある。たぶんファブリーズの匂いとかだけど。

 

 

 

さて、それぞれの歌詞を抜粋しながら考察をしていきたい。

 

 

まずは一番グッとくる、サビの部分から行こう。

 

 

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【たばこ】

「もっとちゃんと、ぼくをみててよ、もっとちゃんと」って

その言葉が 君には重かったの

「もっとちゃんと、ぼくをみててよ、もっとちゃんと」って

言わなければ 君はまだここにいたかな

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もっとちゃんと、と思う気持ちは痛いほどわかる。もっとであり、ちゃんとである。もう全然、足りないのだ。重いとか重くないとか、そんなことはよくわからない。この女だってわかってないはずだ。重い、という言葉は、自分のほうが好きだった、みたいな、被害者意識が感じられる。好きなほうが幸せなんだから、好きであることに被害者意識を持つのはどうなのか。幸せじゃないのか。誰かを好きでいられる、これ以上の幸せを君は知っているのか。被害者意識ヅラするなよ、受け止めなかったのは君だ。だけどわたしにはわかる。同じ経験がある。愛情を受け取るのって怖いよな。でもね、疑ってるんじゃなくて、信じていたんだよな。わかる。泣いていいよ、ベイビー。

 

 

そして、以下は藤川ちあいである。

 

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【夜もすがら君を想う】

夜もすがら君を想う 煙は宙をくゆり消えてく

夜もすがら君を想う 残像にしがみついて

夜もすがら君を想う 心覚えに慰められて

夜もすがら君を想う 何が足りなかったんだろうな

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何が足りなかったんだろうな。なあ、何が足りなかったんだ。もっと、もっとちゃんと、ってなんだよ。もうこれ以上なにを求めるの、どうしたら満足してくれるの、ねえ、君はなにを求めていたの。

 

 

 

以上が、二つのサビである。非常に胸が苦しくなる。自分の望みを叶えてもらえなくて悲しい、相手の望みを叶えてあげられなくて苦しい、そんなふたりが一緒にいるのは、さぞかし辛かろう。もういっそ、離れてしまったほうが楽かもしれない。そう思うのは自然なことである。大好きだったはずなのに、大好きだったからこそ、少しずつそのズレが許せなくて、苦しくなるよな。もういっそ、手放したいと、そう思うのは自然なことだ。仕方ない。

 

 

 

そんな中、ふたりの思い出やパーソナリティが感じられる、以下の部分についても触れておきたい。

 

 

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【たばこ】

昨日の夜から君がいなくなって 24時間が経った

ぼくはまだ一歩も外には出ていない

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24時間が経っても尚、外に出ることすらできない。わたしの経験上、別れ話は週末だ。金曜の夜だ。平日に別れ話なんてとてもできない。次の日仕事だし早く寝たいよね。つまり金曜に別れ話をして、土曜を一日ムダにした彼女。わかる。出れないよね、出る気になんてなれない。出て行かれるよりきっと、出て行くほうが楽だよな。出て行った後の全部が残った、ふたりの生活が、思い出が残った部屋で、明日の朝ごめんねって帰ってくるんじゃないかってくだらない期待を捨てられずに、待ってみたりする。帰ってきたらちゃんと謝ろう。帰ってきたら、少し怒ったふりをしよう。帰ってきたら、今まではしなかった料理なんてしちゃって、彼の好きなものを作ってふたりで食べよう。帰ってきたら。帰ってこないのに。

 

 

 

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【夜もすがら君を想う】

君の小さな胸に顔を埋めて眠りたい

そんなことを口にしたら君は笑ったんだっけ

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小さなってところが気になりますね。ふたりの関係性が伺えます。彼女は貧乳、間違いなく貧乳。貧乳はステータスだ。彼女、笑ってる場合じゃないぞ、戦え。貧乳はステータス。

 

 

ちなみにこれは、2曲の冒頭である。

彼女はなんだかセンチメンタルになりがちなのに対して、彼のこの能天気っぷりである。別れた時に思い出すのはいつだって、そうゆうくだらない思い出だよな。仲の良かったあの時にはもう戻れないと感じるよな。アメトークみて笑いたい。ふたりで久々に映画館でも行こうかってみた映画がめちゃくちゃつまらなくてふたりで寝ちゃったな〜!っていって笑いたい。ふたりで選んだ椅子が、部屋のドアを通らなくて、通らん!!とか言いながら試行錯誤して笑いたい。そんな日々はもう戻らない。

 

 

 

戻らない日々をふたりは思い、でもやっぱり合わなかったかもなあ、と思う部分を、一生懸命探すのです。ふたりが別れた理由を、後付けして納得させる作業をするのです。もう、振り返らないように。楽しかったことばかり思い出して、許せなかったことを許せばよかっただなんて思わないように。やっぱり、だめだったじゃん、ほらね、わたしたちやっぱり、合わなかったよって。

 

 

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【たばこ】

たばこの嫌いな僕を気遣って ベランダで吸ってたっけな

カーテンが揺れて 目が熱くなった

もうそこには 君はいない

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【夜もすがら君を想う】

怒り咎める誰かはもうそこにはいないのに

ベランダで吸ってんだ 君の嫌いな

君の嫌いな タバコを

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すれ違いが見受けられる部分である。雲行きがかなり怪しい。気を遣ってくれてるとおもっている一方で、怒り咎められてると思っているようです。おかしいな。気を使ってベランダで吸っていたのか、怒られたからベランダで吸っていたのかな。楽しかったことと同じくらい、合わなかったこともあるよね。許せなかった部分も、たくさんあったはず。

ほんとのことはふたりしか知らない。

 

 

 

 

さて、考察を進めて行く中で、どうにも難しいところがあったので、もしよければ皆さんの見解を聞きたい。

 

 

以下の歌詞である。

 

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【夜もすがら君を想う】

新しく借りたこの部屋は まだ何もなくてさ

君を真似て買ったサボテンが すべて見透かしてくれて

ウーナ タタタ

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ウ、ウ、ウーナ タタタ……???

突然の…ウーナ タタタ…!!!!!!!

取り憑かれた。完全に何者かに取り憑かれた。呪文である。ウーナタタタなどという言葉は聞いたことがない。サボテンがどうとかもう全然はいってこない。新しく借りた部屋ってインテリアこだわりたくなるよね。わかる。でもサボテンより気になるのは、ウーナタタタなんだよね。すべて見透かしてくれるサボテンもまあまあすごいんだけど、そんなことよりウーナタタタが気になっちゃってさ、もうなんもはいってこない。

 

 

 

 

以下、諸説あるとおもうけど、わたし的な考察はこちら。

 

 

 

 

BUMP OF CHICKENでいうところのオーイェイアハン説

 

BUMP OF CHICKENでいうところの、オーイェイアハン的な、情緒的なアレ。

 

うーん、無理がなかろうか。だって、ウーナ タタタだ。ウーイェイとか、オーイェイとか、ラララとかではない。これはなんらかの隠語に違いない。BUMP OF CHICKENでいうところのオーイェイアハンに憧れて、ウーナタタタは無理がある。どんなタイプの感性なんだ。

ちなみに、BUMP OF CHICKENの生オーイェイアハンは二回くらい聞いたけど、もうすごかった。ステージにでてきて開口一番に、「オーイェイ アハン」といっただけでなんの歌が始まるかわかるし、黄色い声があがった。でも、ステージにあがって「ウーナタタタ」はもう怖いじゃん。だめ。却下。

 

この説はないとします。

  

 

②ウーナタタタ、界隈では有名説

 

そう、我らデジタルネイティブ、わからないことはGoogleにきく。

Google「ウーナタタタ に一致する情報は 見つかりませんでした。」

 

まじかよ。Googleですらわからないこと、わたしにわかるわけがない。そんな界隈など存在しなかった。はい、この説もなしです。

 

 

③でもやっぱりアンサーソングだから、ある程度曲の流れや、メロディーの盛り上がりにリンクする説

 

なんども聞いた。ウーナタタタに、当たる部分を探して。

そして見つけたのがこちら。

 

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【たばこ】

君の匂いがしたのさ 君の匂い

一口 吸ってしまった でも

やっぱり むせた

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ここしかない。ここだとおもう。ぜひ、聞きながら感じて欲しい。

やっぱりむせたーーーーーーー↑↑

ってあがるあたりとか

ウーナタタターーーーー↑↑

ってあがるあたりは、やっぱりリンクしている。

この説だ!!!!これだと思います!いかがでしょうか!!!!!

 

 

彼がむせたとき、ウーナタタタ!って言い合っていたんだとおもう。ウーナタタタは、きっと、むせた時とか、咳をした時に使うおまじない的なあれで、ふたりのための、ふたりだけの、ふたりしか知らない共通言語だったはず。

 

 

彼女「ゴホッ!ゴホッ!」

彼氏「ウーナタタタ!」

 

 

たぶんこんな感じである。なんせ彼女はたばこを吸わないし、嫌いであるし、彼が吸っていたらベランダに追い出し怒り咎めるくらいにはたばこが苦手なはずだ。そして冒頭にあるように、彼はちょっぴりおつむが弱い。貧乳いじりを懐かしむくらいには、デリカシーもないかもしれない。貧乳はステータスだけど。きっとちょっと、能天気なやつだから。そこが好きだったんだね、彼女もきっとさ。

 

でも、彼女はたばこが嫌いなのである。むせるくらいには、苦手である。彼もそれを知っているはず。ベランダで吸うことが、くせになっているくらいには、彼女に幾度となく怒られてきたのだろう。それなのに。

それなのに、なんだその物言いは。ウーナタタタじゃねえ。能天気もそこまでだ!

 

     

 

 

 

 

以上

 

ゴホゴホむせてる奴に対して、ウーナタタタなんていってるやつとは別れて正解。お疲れ様でした。

 

 

 

 

 

補足

【たばこ/コレサワ】の公式アンサーソング、【恋人失格/みゆはん】というものがあるようです。こちらは正式なアンサーソングだけあって、ウーナタタタしてません。【夜もすがら君を想う/藤川千愛】もなかなかよいけど、千愛の名曲は【夢なんかじゃ飯は食えないと誰かのせいにして】一択だと思います。どうぞよろしく。