代官山登山部

代官山?あ〜あの山ね。

ギャルを尊敬しています

「羨ましいとおもうなら、自分もやればいい」

 

 

前職で出会ったギャルの口癖でした。彼女はいつだって、目の前の欲望に忠実でした。時には軽蔑せざるを得ない発言をしたり、酔って血を吐いたり(しかもワインかと思ったなどとほざき)、公園にいるおじさん(いわゆるホームレス)たちにお金を配り歩いたり、不貞行為を繰り返したり、もうとにかくめちゃくちゃでした。ギャルなので、店員さんにも当然、タメ口です。

 

 

こんな人間に出会ったのは初めてでした。

仕事が終わる少しまえになると、「クラブいこうよ!お願いだから!ね!お願い!」と誘いにきたり(わたしはクラブが大の苦手なので断っていても御構いなしです)

仕事中でも「お金使いたーい!なんか買うから適当に用意しといて!似合いそうなやつ!」と暴れたり

「人のものしか興奮できない!リスクのない恋愛なんてなにが楽しいの?」と一切の倫理観道徳観が欠如した発言をしたり

「セックスアンドザシティ見すぎてどっちが現実かわかんない!」などという意味不明な供述をしたり

かと思えば、失恋をしたときは家に駆けつけてくれ、真っ直ぐな意見をくれたり。

とにかく、こんな人間に出会ったのは初めてでした。

 

 

 

ただ、わたしは彼女をずっと、尊敬していましたし、今も変わらず、尊敬しています。

すごいのです。欲望に、忠実で。自分がなにがしたいか、どうしたいか、それが見えている。誰のために、なんのためにがんばるのかが、見えている。

 

欲って、なくなるんです。我慢とか、たくさんすると。あれほしいなぁもこれしたいなぁも、でもお金が、でも時間が、っておもうと、いつの間にか、ほしいものも、やりたいこともなくなっていく。

 

わたしは幾度となく、欲を失いました。やりたいこともない、ほしいものもない。別に病んでなんかないし、毎日楽しいけど、特にこれといってしたいこともないし、働いては寝る毎日。食べたいものもないから、とりあえずカロリーの高いもの食べておこう。行きたい場所もないから、今日は家にいよう。

それでも、毎日は過ぎていきます。休みの日は惰性で続けてるだけのネイルとマツエクに行き、歯医者にいったり皮膚科にいったり、読みかけの本を開いてみたり、snsを眺めたり、それだけで毎日は過ぎていきました。

 

 

 

ギャル「お金使いたーい!」

わたし「いいねーお金あり余ってて」

ギャル「みんなそうやっていうけどさ、わたしはみんなの倍は働いてるんだよね。昼も夜も。だから倍お金があるだけ。羨ましいならみんなもやればいいのにね、よくわかんない!」

 

 

いつもの会話でした。いつもの言葉でした。でもそのときのわたしには、いつも以上に彼女の言葉が、刺さりました。

 

 

転職しようと決意しました。

羨ましいならやればいい。やりたいことがあるなら、やればいい。行きたい場所があるなら、行けばいい。ほしいものがあるなら、手を伸ばせばいい。

 

彼女の生き方はとても真似できるものではありませんが、背中を押されました。勝手に。彼女はきっと、なんとも思ってないだろうし、きっとこれを読んでも、「根暗かよウケる」と笑うだけだろうけど。

 

 

やりたいことはたくさんあった。行きたい場所もほしいものも、手を伸ばせば、思うよりあっさりと手に入ったりする。

 

転職して10日目ですが、毎日が楽しくて仕方ない。出来ないことだらけで情けない気持ちになるけど、これからも、手を伸ばしてみようと思う。

 

羨ましいなら、自分もやればいい。それだけのこと。

 

本日のポエムおわり。ありがとうございました。